2016年1月25日 (月) [氷川の杜(スタッフブログ)]
「神道と塩」のお話し
皆さんこんにちは。
今日も氷川会館オフィシャルブログにお付き合いをいただきまして、ありがとうございます。
寒い日が続きますね。小笠原諸島も氷点下の気温だそうです。空気が乾燥して、風邪をひきやすくなっています。どうぞ皆さんお気をつけください。
さて、今日は神社で発行しております『氷川の杜』から「神道と塩」のお話しを。
『氷川の杜』は、神社のモノ、コトや日本の行事などをご紹介しているしおりです。
長年神社の近くで働いていますが、まだまだ知らないことがたくさんあり、勉強不足を痛感するところです。この『氷川の杜』はわかりやすく、短い文章で書かれていますので、どなたにも気軽に読んでいただき、神社のコトを知っていただけるのではないかと思います。
それでは本題に。
神道と塩〜氷川の杜から〜より
川越氷川神社では毎朝、神前に米・酒・水とともに塩をお供えしています。塩には食べ物の腐敗を防ぐ力があり、調味料としても暮らしに欠かせないものです。昔の人は塩の効能を経験的に知っており、そこに神秘的なものを感じていたのでしょう。かつて塩は海水から作られていました。豊かな恵みをもたらしてくれる海の象徴が塩なのです。
また神社では神さまにお供えをした塩や塩湯(えんとう/塩を湯でといたもの)でお祓いをすることがあります。これは伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が黄泉国(よみのくに)から戻り、海水で禊(みそぎ/水で体を清めること)をして穢(けが)れを祓ったという『古事記』の記述に由来します。相撲の力士が土俵の上で塩をまくのも、場を清めるという意味があります。
伊勢の神宮で天照大神(あまてらすおおみかみ)さまにお供えする塩は、今でも御塩殿神社で伊勢の海水を煮つめて作られています。このことからも昔の人達が手間を惜しまず作った貴重な塩を神さまにお供えした真心がうかがえます。
私たちの生活の中でも身近な「塩」が昔から神道と深く関わりを持っていたことがわかります。インターネットで調べてみると、塩づくりは大変な手間がかかることがわかりました。普段使っている塩とは違う、昔ながらの製法で作られた塩。なかなかいただく機会がありませんが、そういう機会があれば、じっくりと味わってみたいと思います。