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氷川の杜(スタッフブログ)

2018年10月16日 (火) [氷川の杜(スタッフブログ)]

『本殿彫刻』のお話し

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ブログ管理者そよ風です。今日も氷川会館オフィシャルブログにお付き合いをいただき、ありがとうございます。川越氷川神社の例大祭が執り行われ、今週末は川越まつりです。


さて、お祭りに関連して今日は「本殿彫刻」のお話しを。



本殿は、神社の中でもとても重要な場所。それは神さまがお静まりになっているところだからです。
本殿は御垣内にあり、ご参拝の方々はもちろん、私たち職員も入ることはできません。神社にご奉仕をしている神職、そして巫女のみが立ち入ることを許されています。

川越氷川神社の挙式では結婚式当日、新郎・新婦のお二人だけ、特別に本殿への参拝が許されます。神社で結婚式ができるところは全国でも多くありますが、本殿参拝が式次第に入っているところは少ないのではないでしょうか。それくらい御垣内に入ることは特別なコトなのです。


さて、本殿彫刻ですが、埼玉県指定の文化財になっています。入母屋造りの本殿は天保十三年(1842年)起工、嘉永二年(1849年)に竣工されました。
建物の全面を埋め尽くす彫刻が見事な本殿。この彫刻は、当時屈指の名工と謳われた嶋村源蔵の手によるものです。槻材の木目を活かした無彩色の江戸彫(関東彫ともいう)が特色です。

結婚式当日は彫刻をゆっくり見ることができない状況ですし、お気持ちもそうはなりませんよね。でも、この素晴らしい彫刻はぜひとも間近でご覧いただきたい!
川越まつりの2日目、平成30年10月21日(日)15:00〜17:00まで。一年に一度だけの本殿特別公開を行います。神職による解説付きで本殿彫刻をご覧いただくことができます。


ここは!というポイントはありすぎるのですが、その凄さがわかるのが北面の「頼朝の図」です。



通称「鶴ケ岡」と呼ばれる構図で、頼朝が鶴岡八幡宮の祭礼「放生会」に際して千羽鶴を放つ姿が描かれています。三枚続きの彫刻の中で、一番右側の鳥かごにご注目。なんと!鳥かごの中に鶴が彫られています。一枚の板から彫られているのですが、どうやって鶴を彫っていったのか?今でいう3Dを170年もの昔に考えていたこと、考えを形にする技術も持っていたことに驚きを隠せません。鶴が何羽彫られているのか…はご覧いただき確かめてください。

個人的には西面の「牛若丸の図」がロマンティックで好きです。牛若丸と浄瑠璃姫との出会いの場面。浄瑠璃節発祥の物語です。



そして、本殿腰廻りにもご注目ください。川越まつりの氏子十ケ町の山車の人形を主題とした彫物が廻らされています。

昔ばなしでおなじみ「浦島」。亀に乗った浦島が竜宮へ行く姿を見ることができます。

手力男命の構図は「天ノ岩戸開き」。手力男命の腕力と天ノ鈿女命の踊りによって闇の世界から光明界が導かれる光景です。

為朝は平安末期の超人的豪傑、身体強大にして強弓の誉れ高い勇者です。鬼が二人で為朝の弓を引っ張っている姿が描かれています。鬼二人より為朝の力が優っているとは、なんとも力持ち!身長は七尺(2m10cm)の大男だったと伝わっているので、それも納得です。

そして、近江三上山の百足退治伝説で有名な秀郷(俵藤太)。勢多の大橋の上から百足に向かって矢を放つ場面を見ることができます。


最後に、写真の部分にもご注目ください。



写真では格子模様に見えるのですが、角度を変えるとなんと菱形に見えるのです!体を左右に揺すってご覧になってみてください。実は、私はこの部分にとても感動しました。気付かれないかもしれない場所に、こんな仕掛けがあって、遊び心があるなんて素敵♪と(笑)


ほんの一部ではありますが、個人的にご覧いただきたいところを中心にご紹介いたしました。
ぜひ21日は本殿彫刻をご覧にお越しください。

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